1979年に“MATSURI”を出してから2年後に出した全曲オリジナルの “WINGS” のCDについて書くことが抜けていました。
“WINGS”はどんどんオリジナルを書こうという機が熟してきたころに僕の盟友、伊藤潔からCDを作らないかという誘いがあって出来たCDです。
まだこの頃はクラシックの勉強が続いていたころで作曲の中にその影響が色濃く出ていると思います。
渡米前、25,6歳の頃書いた「WINGS」を除いてどの曲も今思うとNYに居なかったら書けなかっただろうと思える曲ばかりです。
この中には最近でも演奏したり、CDに再録音した「Persian Breeze」「Evening Ivory」「September Guest」「Bluebell Song」等が入っています。
メンバーはDavid Liebman(s.sax ), Andy Laverne( p),Chuck Loeb(g ),Danny Gottlieb(ds ),Nana Vasconcelos(perc ),Tom Harrel(f.horn),Bob Berg(t.sax)、Clifford Cater(synth), そうそうたるメンバーですが、とにかく若かった事もあってギンギラギンになって作っていました。伊藤潔とは僕の処女作の“FRIENDS”から8年振りのCD制作でしたが、その時以来日本に帰ってから僕の音楽の最大の理解者であり僕にとってなくてはならないプロデューサーとなっていったのです。
このCDを作ったあと、JAPAN SOCIETY で“WINGS” お披露目コンサートをやりましたがNYで初めての自分がリーダーでのコンサート、リキが入りましたがやっとここまで来たかという充実感がありました。
その後Dave Liebmanと二人で日本に行き、辛島文雄と日野元彦でカルテットを組んでピットインや名古屋のラブリー等で演奏しましたがトコちゃん(日野元彦)は生前あの時の演奏は素晴らしくてよくテープを聞いていると言っていました。
その頃の精神状態はニューヨーカーとしての気持ちが出て結構突っ張っていたと思います。
鈴木良雄