2003年9月2日

 楽器

 楽器というのはどのようにして出来たのだろうか、とふと思う事がある。
  僕の場合は弦楽器だけど、その昔に亀の死骸が上向きにころがっていてその甲羅に肉片が乾燥して糸のように残っていてそれが風で鳴っていたのをヒントに弦楽器ができたとか、弓の糸を引っ張って離すと音がしたのが始まりだとか色々な説があるみたいだ。

 とにかく今の僕が弾いているベースの形になるには相当な時間がかかっていると思うし、その発展には何万人という人達の努力があったに違いない。僕の祖父が日本で最初に誰にも習わず外国から持ち帰られたバイオリンを手本に、見よう見まねで作ったという事や、曾祖父が三味線作りだった事、又、父もバイオリンを作り、その音色を確かめる意図もあってバイオリンを弾いていた。僕もその両方を見ながら育ち、父にバイオリンの手ほどきを受けていた事を考えると、その後ピアノ、ギターと色々な楽器を弾いたにもかかわらず、今こうしてバイオリン族の一番大きいベースを弾いているのはただの偶然ではないと思う。

 アメリカにいる頃はいい楽器が欲しくて、本当にとりつかれたようにアメリカやヨーロッパを駆けずり回り楽器さがしに明け暮れた時もあった。やがて今、普段使っているモダンイタリアンの楽器をミラノとクレモナの間にある街、クレーマという所で手に入れ、その後アメリカのクリーブランドでオールドイタリアンも手に入れる事が出来た。

 もちろんいい楽器を弾くとその製作した人の魂、その後何十人、何百人という演奏した人達の魂が宿っているのを感じるし、その楽器自体がもうただの物体ではなく、生きた魂を持っている事を感じるようになる。

 でも何と言っても一番長く弾いている楽器は、長年苦楽を共にして来たことだけあって、かわいいしその楽器の事を僕は知り尽くしている。でもこの間ちょっと手がすべってしまって、倒してしまい運良くドラムのシンバルの所で止まったものの、背中に擦り傷を作ってしまった。その他にもこのベースには3回も怪我をさせてしまっている。1回は旅の時、大きな地震にあって、1回は酔っぱらって階段でころんで、あとは不注意で........ ごめん、ごめん!これからは気を付けて、もっと大事にするから。またいい音を出して下さい!

                               CHIN

閉じる